MRの仕事(基礎・学生向け)

暴露!製薬会社と医者のつながり

こんにちは!ゆうです。
梅雨が明け本格的な夏になると病院の廊下で立ち待ちしているのがとても厳しいです。笑
あつい、あつい。

そんなことはさて置き、東洋経済オンラインで気になる記事を見つけました。

医師と製薬マネーのあまり表には出ない大問題 ー法制化も罰則もなく自主規制に頼る寒い現状ー

https://toyokeizai.net/articles/-/292834

記事を読んでみましたがかなり偏った記事だなと思いました。
ざっくり記事の概要は以下のとおりです。

  • 医者は製薬会社主催の講演会で薬の宣伝活動をしている
  • 製薬会社からは多額の講演料をもらっているので「闇営業だ!」
  • 目の前の患者の診療が第一優先のはずだが、「闇営業」に精を出している!
  • 産学共同は詭弁だ!研究費は自前でなんとかできる!
  • 利益相反をしっかり開示しなさい!

まぁこんな感じです。
医者と製薬会社の関係が、よしもと芸人と詐欺集団の関係と同列で語られています。笑

偏った記事には偏った反論意見を書いていきたいと思います。笑

医者は闇営業をしている?

してません。笑

まずは医者側からの視点で解説していきます。
東洋経済の記事でも書かれているとおり、医者にはそれぞれ所属している病院があり、その病院のルールに基づき講演をしています。
なので、闇営業なわけがなく、立派な業務として認められています。

もう一方の製薬会社からの視点では、我々は詐欺集団ではなく、合法的にビジネスをしています。
詐欺でお金を儲けているわけではありません。
厳しい臨床試験を通過して、科学的に根拠のある薬を販売して利益を上げています。

製薬会社からの講演料は賄賂なのか?

もちろんですが、製薬会社から医師へお渡しする講演料は賄賂ではありません。
講演いただいた分、ギャラをお支払いしているまでです。

東洋経済の記事で問題にされていたのは、製薬会社からの講演料があきらかに多い医師がいることをです。
たしかにある疾患に対して、全国的にとてつもなく影響力のある医師には多くの講演料が振り込まれていると思います。
市場の大きい領域は、大手メーカーで取り合いになるため、その分講演料は多くなると思います。
そのあたりは記事が指摘しているとおりだと思います。

ただ、「講演料=賄賂」なのか?と言われると99.9%それはないと思います。

目の前の患者だけを見て診療するだけが医師の仕事ではない

記事中に、「患者のために診療をするのが医師の本来の姿」と書いてあります。
たしかにそれは正しいと思います。
ですが、目の前の患者だけを診療すれば良いというわけではないと思います。

製薬会社主催のセミナーで講演する医師の殆どが、ある疾患、領域のスペシャリストであることが多いです。いわゆる得意分野、専門分野というやつです。

製薬会社のセミナーを通して、 自分の得意分野の最新の治療等を、地方の病院の医師、開業医の医師へ伝搬することができます。
講演を聞いた、地方の医師はスペシャリストの治療を参考に最新の治療を患者に施行します。
そうすると結果的に、最新の治療が波及的に広がり多くの患者が恩恵を受けることができます。

目の前の患者だけを診療しているだけでは、多くの患者への治療機会を失ってしまうと思います。(特にKOL)

医師と製薬会社はずぶずぶなのか?

前項のとおり、製薬会社は医師とタッグを組み、疾患の啓発や最新の治療の浸透に邁進しています。
ここでは、講演料ではなく、研究費について記載しています。

東洋経済の記事では、製薬会社のちからを借りず、自分たちで資金を集めなさい!できる!と書かれていました。
正直あまり詳しくはないのですが、難しいと思います。

海外と比べて国からの研究助成が少ないこともあると思いますが、
製薬会社からお金を集めるほうがとても簡単で楽だからです。

製薬会社からお金が出ないとなると、その分どこからか集めないといけません。
他から集めるのはとても労力がかかり、効率がとても悪いです。

結果、研究費を集めるための仕事が増え、ただでさえ忙しい医師の業務にさらに負担がのしかかることになります。(実際なりつつあるのはではないでしょうか?)

そうなると、研究も進まないし、臨床(患者さんの診療)もおろそかになる危険性があります。

製薬会社からの資金提供(研究費寄附)は必ずしも悪ではありません。
効率よく資金提供することにより、研究や臨床を助けています。
また、間接的に患者への恩恵もあると思います。

利益相反は開示している

はい。利益相反は開示しています。
それもかなり細かく開示されています。

どの製薬会社が、どの病院の〇〇先生へ、年間いくら支払ったのかまで分かります。

以上です。笑

これほど細かく利益相反を開示している業界てあるんですかね?

製薬マネーが無くなるとどうなるのか?

大学病院などの研究機関を兼ねている施設は困ると思います。
研究費を捻出しなければいけませんので、予算は慎重になるでしょう。
そうなると研究のスピードは落ちてしまうかもしれません。

また、製薬会社主催のセミナーが無くなるとどうなるでしょうか。
おそらく、地方の病院や開業医では、治療の格差が広がってしまうと思います。
情報に敏感な医師は、学会やインターネットで学び最新の情報を仕入れることをしますが、
残念ながら全ての医師がそうではありません。

地域の講演会に情報を依存している医師も少なくないと思います。(特に地方は)
そのような医師は、製薬会社主催のセミナーがなくなってしまうと、新しい情報を仕入れる機会を失ってしまいます。
結果的には、患者さんが不利益を被る結果になると考えます。

最後に言いたいこと

東洋経済の記事で言いたいことは良くわかります。
製薬会社と医師の癒着で良くないことが過去に起こっていることも事実です。

ただ「講演料」と「研究費」は全く別の話であることを言いたいです。
どちらも製薬会社から出ている金ではありますが、意味合いは全くちがうからです。
混ぜて記事にすると、非常にわかりにくいです。

また、一部の小さいデメリットに注視しすぎて、規則をガチガチにしてしまうと、大きなメリットが損なわれてしまうこともあります。

今回の件だけではないですが、現場のMRの肌感覚として、製薬業界は規則が厳しすぎると感じています。
大きなメリットを失わないようにしてほしいですね。

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