MRの仕事(基礎・学生向け)

業界ニュース・製薬決算まとめとMRの将来

こんにちは!ゆうです!
主要製薬企業の3月通期決算発表がほぼほぼ出揃いましたね。
印象としては予想どおりというか、まぁ結構厳しい決算発表だったかなぁと・・・

この記事では主要な内資製薬企業の3月通期決算のまとめと個人的な今後の予測について解説していきます。

全体で売上高5.0%増!しかし、営業利益は2.4%減・・・

2019年5月14日までに主要内資製薬会社の3月通期決算が発表されました。
日刊薬業のまとめによると、21社全体で売上高は対前期5・0%増の7兆8,506億1300万円でした。
一方、営業利益は対前期2.4%減の1兆1025億2400万円でした。

売上高については、シャイヤーを買収した武田薬品工業が2兆円に到達したこと、新製品群が伸長して2桁以上の増収となった日本新薬(13.1%増)小野薬品工業(10.2%増)が業界を牽引しています。
ただ2桁以上成長したのは残念ながらこの3社のみに留まっています。

営業利益は、大きく2極化した印象があります。
目立って伸ばしたのは、日本新薬(20.9%増)、塩野義製薬(20.2%増)、参天製薬(16.6%増)、アステラス製薬(14.4%増)、エーザイ(11.6%増)で、この5社が2桁以上の増収となっています。
一方、大きく減収したのは、キッセイ薬品(37.3%)、あすか製薬(36.9%減)、田辺三菱製薬(34.9%)、大日本住友製薬(34.4%)でした。田辺三菱製薬は早期退職プログラムの影響もあるのではと考えられます。
また武田薬品工業はシャイアー買収に伴う影響から営業利益は15.1%減となっています。

各社の売上高、営業利益を見て、売上高1000億円以上とそれ以下で明暗が分かれたなぁという印象です。
売上高1000億円以下の製薬は軒並み、売上高、営業利益ともに減収となっています。
新製品群の伸長が収益の大きな課題になっているのではないでしょうか。

国内市場は衰退している

国内市場は衰退の傾向にあります。
こちらも日刊薬業の記事からですが、国内売上について大正製薬HDは15.4%減、大日本住友製薬が9.8%減、塩野義製薬が7.6%減でした。
塩野義製薬は全社業績では過去最高の3637億2100万円(5.5%増)を叩き出していますが、国内ではマイナス成長となっています。

国内増収を確保している企業もほとんどが1桁台の成長に留まっています。
国内売上を伸ばしたのは、日本新薬が8.5%増、キョーリン製薬HDが5.5%増でした。
その他、伸ばしている会社も微増で国内市場の厳しさを表していると思います。

国内市場は「毎年の薬価改定の導入」「後発品比率の押上」など、今後も厳しい状況が続くことが予測されています。

今後各社が活路を見出すためには、海外への進出が不可欠だと思います。
現に大手製薬企業はすでに海外売上比率を高める動きにシフトしています。
武田薬品工業は、すでに国内売上比率は18%程度です。
アステラス製薬も国内売上比率は30%程度と、多くの大手製薬会社は海外へシフトしています。

前項で売上高1000億円以下の準大手や中堅製薬会社の業績が厳しいと説明しました。
今後、準大手や中堅製薬会社が生き残っていくためには、海外で売上を伸ばすことができるのかが鍵になってくると思います。
今は好調な日本新薬やキョーリン製薬HDも国内市場で伸びていても、今後は不透明な状況で海外売上を伸ばす施策が必要なのではないでしょうか。

では製薬業界は衰退していくのか?

ここからは完全な私見です。笑
国内市場が衰退していくため、製薬業界はオワコンになるのでしょうか?
MRが就職先として、あるいは転職先として魅力を失うのか?

答えはわかりませんが、私はいづれも楽観的に見ています。

まず業界の動向ですが、たしかに国内市場は衰退していく流れで間違いないと思います。
各製薬会社は海外での活路を見出す必要があります。
国内の売上だけでは持続的な成長は見込めないでしょう。
しかし、今日本の製薬会社は海外売上比率を高めていっています。
グローバルの市場はまだ伸び続けていますので、まだまだ業界自体が廃れるということはないと思います。

また、MRの将来性についてですが、こちらも過去の記事で書いてきているとおり悲観するほどではないと考えています。
たしかにMRの数は減少していっています。
ただこれは、今までが多すぎたと思っています。

製薬業界にかかわらず、日本の経済成長はずっと停滞しています。
他業種でも大手企業が人員整理をしている現状で、製薬業界のMRだけが過去のまま推移するわけありません。
「大企業=安定」という構図は終わりつつあります。
それは製薬会社やMRも同様です。


「安定している業界」「安定している会社」というのは、予測するのは難しいです。
今や大企業でも数年後にはどのようになっているかわかりません。

そういった日本の環境のなか、製薬会社のMRはまだまだ高い給与水準だと思います。
福利厚生もかなり手厚い業界です。
将来は不透明なところもありますが、それはどの業界に行っても同じだと思います。

MRを選んだときの選択肢として
「MRになって、プレゼンなど営業のスキルを高める。」
「給料に余裕があるので、自己研鑽にも投資ができる。」

MR職で学べるスキルはたくさんあると考えています。
また、給料も比較的良いので「生活するだけでいっぱい!いっぱい!」ということも少ないと思います。自己学習に資金を回す余裕もあると思います。

将来に不安があるのはどの業界、会社も同じです。
であれば、まだ待遇の良い製薬業界に就職して、将来のために備える方法もあるんじゃないかなぁと個人的には思います。


ぐだぐだ書いてしまいましたが、今回は以上です!

質問などありましたらお気軽にコメントお願いします!

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